ゥワオーーン!/野性の呼び声
野性の呼び声
「伝説の冒険小説」とかゆうてジャック・ロンドンの原作「荒野の呼び声」(昔は WILD を『野性』じゃなくて『荒野』と訳していた)を伝説化してアドベンチャーものにしてるけど、もともと原作はいわゆる動物文学であって冒険ものではなかった。お話も人間は脇役で、要はペットとしてぬくぬくと飼われていたバックがいきなり過酷な犬ぞりの世界に放り込まれ、他の犬たちや人間様にもまれながらも大自然のなかで野性に目覚めていくというお話。
それをハリソン・フォードが(たぶん)犬の形をしたギニョール人形相手に芝居をして、あとからCGで犬にしたんやろうけど、なんでやしらんけど、完全に人間と犬のバディーものにされている。
だからアカンということもなく、原作の雰囲気も残しつつ、ハリソンくんが語るという設定でうまいこと作ってます。郵便配達のそりをひくシーンはちょっと感動してしまいましたが。
ただ、CGのワンちゃんたちの動作や表情があまりにも人間くさくて鼻に付くような感じもしますけどね。
これやったら、フツーにアニメでもよかったんちゃう??かと。
ま、残酷になりそうなとこはディズニーのオブラートに包んでさらっとしてるんで、お子様にも大丈夫ですわ。
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豪華3大女優競演/スキャンダル
スキャンダル
スキャンダルなんちゅうと「あべのスキャンダル」を思い出したりしてwww そんな古い話はもうだーれもシランかwww
原題は BOMBSHELL で、bombshell announcement というと爆弾発言、blonde bombshell は金髪美人という感じの単語。うまいこと掛けてるよね。それがスキャンダルとかになると、そーゆーニュアンス全然伝われへんやん。残念な邦題。
で、3大女優がそれぞれが受けたセクハラを公にして変態じじいを追求していくんやけど、3人が団結して声を上げてドワーっと行くんかと思いきや、3人がそれぞれバラバラなのよね。それぞれの立場で、それぞれの思惑もあって、一致団結できない。セクハラ訴訟にはそーゆー難しさがあるらしい。だから映画としても、いわゆる盛り上がりに欠けた、真面目さが目立ったな。
シャーリーズ・セロンが実在の人物と「そっくり」に特殊メイクアップして、それがまた、あのカズ・ヒロさんで、アカデミー賞とったとか話題やねんけど、どうなん?実在の人物やるとき、本物そっくりにせなアカンのん?この流れ、どうなん?全然、顔、ちゃうやん。シャーリーズ・セロンとちゃうやん。気に入らんなあ。
ほんならニコール・キッドマンもそっくりさんにせなアカンのんちゃうん?ニコールさんは「そんなメイクアップ、嫌じゃ」って断ったってこと?
架空の人物だったマーゴット・ロビーだけ、なんかめちゃくちゃ酷いことされてたみたいで一番苦しんでたやん。かわいそうに。でも、セクハラ訴えても何の解決も「仕返ししたったー!」感もなく、なんかやられ損やん。
どうも、話がすっきりせんかったな。
グレン・フライが亡くなったときのニュースで、見ていた変態じじいが「こらー!写真が違う!それはドン・ヘイリーの写真やー」ゆうて、調整室に電話いれたら、写真を用意した子が「そんなじいさんバンド、しらんしー」みたいな反応してるとこはイーグルスファンとしては爆笑やったけどな。
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予備知識なしで見ましょう/パラサイト 半地下の家族
パラサイト 半地下の家族
やっと見に行ってきた。オスカー獲ったり、なんで韓国映画がアメリカの賞を獲るんじゃとトランプが文句ゆうたりして、友達の間でも話題やからね。おくればせながら。
完全ネタバレ
前半の「半地下の家族が上流家庭に入り込んでいく様」はコミカルに描かれてて大笑いしながら見れた。マジで笑えた。なんかどっかで見たことある感覚やなと思たら、わかった!このノリ、植木等の無責任シリーズ、クレージー映画の古澤憲吾監督のテイストとちゃう?テンポよく調子のええ言葉(これがC調)でどんどんのし上がっていく感じ?あれですわ。ついに一家4人が大金持ちの家の広〜いリビングで庭を見ながら酒盛りのシーンでとりあえずパラサイト・ミッションは完結する。金持ちはすぐだまされる。金さえあればいろんな問題なんかジャーっと流されて、人は優しくなれるもんじゃ〜とかゆいながら。
後半の予想もしてなかった展開はホラーでした。下には下があるというか、台所の扉の向こうの世界は想像をはるかに超える下流カオスか。
北朝鮮のテレビ放送ネタにはほんまワロタ。
大雨であふれた水が下へ下へ低いところへ低いところへと流れ、半地下の家はもう水浸しどころかトイレからあふれたでた糞尿水でえげつないことに。すさまじいシーンでしたね。それでも上流の家庭では全く関係なく子どもの誕生パーティーが開かれ招待客たちはそれなりの身なりと出で立ちでさっそうと現れる。
こんな世界に憧れはあるけど、結局自分はこんな世界に「似合ってない」かも・・・。半地下の人間にはどうしても隠せない「半地下の臭い」が染み付いてるのか・・・。くっそーっ!
そして、で、出ました!ポン・ジュノお得意の暴力のカタルシス。このシーン、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でブラピがキレるシーンと似てたな。
ポン・ジュノのテーマである格差・差別・共生という問題を現代劇でどうするつもり?重くなりすぎへん?真面目すぎへん?と思てたけど、いや、びっくりする展開で、実にうまくエンタテイメントに仕上げたところはすごいです。
トランプ、映画見てからゆえ!
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圧巻の映像/1917命をかけた伝令
1917 命をかけた伝令
見に行こうかな〜と迷ってる人、これは絶対に大画面で見ないと損です!
もうすでにヤイヤイゆわれてるように、全編、1カットで撮ったような凝りようで完全にやられてしまいます。
オープニングの花が咲いてる野原で、木陰で休息する兵士ふたり。ここから延々とこの二人をカメラは追い続け、歩いてるときも走っているときも離れない。だから見てる我々も二人から全く目を離す隙を与えらない。
1カットで撮ったようやけど、画面が真っ黒けになったり、激流の中へ水没したり、地下壕の中で埋もれたり、照明弾に照らされる廃墟の中を逃げ回ったり・・・と、光と影が絶妙なバランスで、またモノクロの景色が燃え盛る炎で幻想的な色彩に染められたり。すごいな、ほんまに。映像マジックですよ、まさに。
予告編で惜しげもなく解禁されているクライマックスシーンも大画面で圧倒的迫力と臨場感で、見ている自分も首をすくめたり、砲弾の爆発を避けたりと、つい体も動いてしまう。これこそ「没入感」ゆうのん?まいったな。
ラストがオープニングとの対比になっていて、あー、そうくるんかーと、ほんまに満足、あーおいしかったと心地よく劇場から出ていけます。
ほんま、これは映画館で見ないと損します、マジで。
でもねー、正直、見てる間じゅう、ずっと「どこで『カァートっ!』ゆうてるんやろかと気になってしゃーなかってんけど、そういうこと全く忘れてもっかい見たいわ。
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Katsumi Imai
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